皆さんの周りに一人っ子の方はいますか?今20代・30代の方の中ではまだ少数かもしれませんが、段々と増えてきて2010年では一人っ子は約16%の割合なのだそう。出生率が2を下回った事を考えると、これからもっとその割合が増えそうですね。
そんな一人っ子のイメージをまわりに聞いてみると、「他人は自分の言う事を聞いて当たり前と思っている」「寂しがりや」「のんびりしている」「自立心が強い」と、両極端な意見が出てきます。他の兄弟姉妹がいる場合は長男長女・真ん中・末っ子とある程度ステレオタイプがあるのに対し、1人っ子は正反対の意見が出るのはなぜなのでしょう。それは親の育て方の違いに他なりません。
一人っ子だから大事に・辛い事や悲しい事にはあわせないように・怪我させないように、と猫かわいがりする家庭と、一人っ子で可愛いからこそきちんと自分の足で立っていけるようにと厳しくする家庭では、自然と性格や態度に違いが出てくるのが分かります。
大抵可愛いだけで育てた場合は、わがまま・空気が読めないなんてマイナスイメージの一人っ子になってしまいますが、そうでない場合は一般的なイメージと少々異なるようです。そこで一般的なイメージとかけ離れた一人っ子は、どんな性格なのかを挙げました。
のんびりしたマイペース
一人っ子は小さい頃から、誰かのペースに合わせるという事がありません。兄弟姉妹がいれば、上の子は下の子の遊び相手をするために自分の用事は後回しにしないといけなかったり、上の子の用事に付き合って下の子は「早く早く」とせかされたり、人の都合に合わせなければならない時も間々あります。
しかし一人っ子はそれが無く全てを自分のペースで行なえ、よほど緊急の用事が無い限り、周りもせかしたりする事はほとんどありません。ですから大きくなっても自分のペースを崩さず行動し、それがゆえに周りに合わせない変な人と受け取られる事も多いです。
喧嘩をした事がないので、対処を間違える
兄弟姉妹がいないという事は、それにつき物の兄弟喧嘩を経験する機会が無いという事です。兄弟姉妹がいる場合は、一番近くにいるライバルとして日々小さい事を争いますが、その中で自分がどう行動したら相手が傷ついたり痛い思いをするのかを学び、仲直りするためのコミュニケーション方法を習得していきます。
しかし一人っ子はそれが無いので、喧嘩の雰囲気を嫌がりなるべく喧嘩にならないよう回避するのが得意です。しかし、もしそうなってしまった場合には対処法を学んでいないので、間違えてさらに仲をこじらせてしまったりする事もあります。
空気を読みすぎる
自分の兄弟姉妹は同じ母親から生まれた子どもというだけでなく、仲間・友人・ライバルと色々な役目を果たし、最も信頼できる一人となります。
一人っ子の場合はそんな一緒に成長する相手がおらず大人に囲まれているので、嫌われてしまえば全く孤独になってしまうのを避けるため、自分の世話をしてくれる大人に逆らわないよう行動するようになります。
一人っ子が静かで手がかからないのは、親がこうあって欲しいというのを子どもが読み取りそれに副うようにしているからです。ですからその場の空気を読むのが得意で、時には読みすぎるあまり周囲に変わった人と思われる事もあります。
一人で過ごすのに慣れている
これは一人っ子だけでなく、兄妹や姉弟のように異性の兄弟や年の離れた兄弟姉妹にありがちなのですが、一緒に遊んでくれる子どもがいないために1人で遊ぶようになります。
1人でいるのが通常になると、成長しても1人でいる事が多くなり、学校や会社にある様々な人のグループには馴染みづらい傾向にあります。
馴染めたとしても、大勢でワイワイ騒ぐのを苦手とし、1人または少人数で集まるのを好みます。恋人同士になってもプライベートの時間が必要になるので、毎日電話をしてほしいという相手の望みは、本人にとって結構辛いものになってしまう事もあります。
集中力がある
一人っ子は大人の望むように振る舞うため、手のかからない大人しい子になりやすい傾向にあります。1人で遊んでいればそれを良しとして誰も構いませんから、誰かの用事で中断される事無く自分の世界にどっぷりはまれます。その結果、自分の好きな事にはとことん集中しますが、苦手なものは飽きやすいという性格になります。
そして自分の世界にはまるがゆえに夢見がちになりますが、その良い例がトイ・ストーリーのアンディと言えば、なんとなく想像がつくでしょうか。好きな事への集中力が非常に高いので、それが生かされると才能を発揮する事があります。
結構礼儀正しい
兄弟姉妹がいないとわがままになる、なんて良く言われますよね。そうはならないように、と厳しくしつけている家庭の一人っ子はその反対に礼儀正しい人が多いです。生まれた時から周りには大人しかいないので、大人のマナーに反しない振る舞いを自然と身につけるようになるのです。
出世や人の上に行く事にあまり興味が無い
一人っ子がのんびりで喧嘩が嫌いなのは、必要なものが不足した事が無いから。兄弟姉妹と1つのおもちゃを巡って喧嘩する必要は無く必要ならば必ず用意されているので、満たされずに渇望するという事がありません。
それは日ごろの態度にも通じ、今あるもので足りるので出世や人と争って上のポジションを狙うのに興味は無く、今あるもので十分と思っています。ひいてはあまりガツガツしていない、余裕のあるスマートな人と好印象を持たれる事も。
自立が早い
一人っ子は周りを大人に囲まれて成長しその言動を見てきているので、自分も早く対等になりたい・周りの大人のように大きくなってあれこれしたいと考えるようになります。
特に一人っ子でも、ある程度放任で育てられると自分の無力さを良く知るようになり、その無力感を払拭したいがために早く自立するようになるのです。
反対に親が可愛いあまりにあれもこれも先回りして全部やってあげてしまい、いつまでも子どもである事を望むと、一般的な一人っ子のイメージである「人にやってもらうのを当たり前とする」ような人に成長します。
家族に対して強い責任感を持っている
日本はもうすでに、全人口に65歳以上が占める割合は世界で1,2位を争う高齢大国で、それに伴う介護や保健医療の問題が大きくなっていますよね。これまでに比べれば少なくなったと言っても、老後の世話を子どもに期待し子どももそれを覚悟しているという雰囲気は今だに根強いです。
特に一人っ子は、親の老後に関して子供が自分しかいないというのを非常に重く受け止めていて、最後まで面倒を見るのは自分だと心に決めている人が多いです。時には恋人や家族よりも大事にして、相手が嫌な気持ちになってもそれが理解できない一人っ子も。
物欲が少ない
生まれた時から、欲しいと思う前に全て用意されていたのが一人っ子です。子ども2,3人だとそれぞれに買い与えるのは費用がかかりますが、1人ならばたいした負担になりません。
加えて今は5ポケットとも6ポケットとも言われて、両親・おじおば・祖父母からのプレゼントもありますから、余計に物が揃った環境になるのです。欲しいと思う前にすでにあるのですから、その結果物欲が少なくなり、ブランド物や流行の物にもあまり目を奪われる事はありません。
まとめ
こうやって見ると、マイペース・礼儀正しい・大人しいと一般的なイメージとは異なり、またこの性格に加えて人に合わせる事に慣れていないので、周囲からは浮いた存在かも知れません。
しかし、一人っ子の方は周りについていけないと落ち込む必要はありません。必ずそれを理解してくれる人がいるはずなので、その人達とのんびりマイペースでいくのも良いかもしれませんね。