心配症の症状とは?その対処法 克服方法とは?

心配症の症状その対処法で知っておきたいこと ストレス

仕事や家庭、対人関係などの悩みを抱え、なるべく考えないようにしようとしているのに不安に襲われてしまう。これが心配性です。心配しないようにしよう、不安にならないようにしよう、と思うだけでさらなる不安の波に襲われてしまうことも多く、不安症の解消はそれほど容易ではありません。

心配症な方の典型的な特徴とその解消法についてまとめてみました。ストレスに強く、物事がうまくいかなくてもそれに引き摺られない方もいる一方で、ストレスに耐性がなく、ちょっとしたきっかけがもとでどんどん心配症を悪化させていく人もいます。

心配症の解消に効果があると思われる方法を知り、少しでも症状を軽減するように努力してみましょう。

心配症の症状とは?

いつも最悪の事態を予想してしまう

いつも最悪の事態を予想してしまう

心配性の人は考えられることの中でも最悪の事態を想定しがちです。いったん悪いほうに考えが進むとここから抜け出すことが出来ず、最悪の場合に起こりえることが、あたかも今起こっているかのような反応を示してしまいます。

いったん考え始めると止まらない

いったん考え始めると止まらない

いったん悪いことやネガティブなことを考え始めると止まらなくなるのも特徴です。考えれば考えるほど不安が増していき、どうしてもポジティブな方向に考えを持っていくことが出来ません。症状がひどくなると睡眠が妨げられたり、外出して人と会うことが億劫に感じられるようになってしまいます。

根拠のない不安に襲われる

根拠のない不安に襲われる

心配症の人は、まったく根拠も証拠もないことに考えを煩わしてしまいます。仕事も家庭も順調に行っているのに、将来に対して漠然とした不安を抱いたり、老後の心配をしてみたり、ちょっとした体調の不調に動揺し重病にかかっているのでは、と不安に苛まされることもあります。根拠がないだけに、周囲の人に大丈夫と言われても、なかなか納得できずに終わります。

確認作業を何度も行ってしまう

確認作業を何度も行ってしまう

心配症から発生する典型的な強迫的行動に、確認作業を何度も行ってしまうことが挙げられます。これはたとえば外出する際に鍵をかけたかどうかが気になり、何度も何度も確認してしまう行為を指します。

他にはガスの元栓を締めたかどうかや、出かけるときにカギの締め忘れや忘れ物がないかどうかなど。普通であれば一度確認すれば事足りるところを、何度も何度も繰り返し確認しなければ気が済まない状態に陥ることがあります。

ポジティブな解決策が思い浮かばない

ポジティブな解決策が思い浮かばない

心配症の方は「もしも○○だったら、どうしよう?」ときりが無いほど考えますが、それに対する対処法を思い浮かべることが出来ません。

もしもの仮定を考えることはごく普通のことですが、心配症でない方ならば単にそれに対する備えや対処法を考えるところ、心配症の方はどうしよう、というところで思考が止まってしまい、そこから抜け出せなくなってしまいます。どうしよう、と果てしなく心配するだけで、それに対する対処法を実践できないため、不安が解消されることがありません。

いつも失敗するのではないかと恐れている

いつも失敗するのではないかと恐れている

物事がうまく行かないのでは、という恐れが強く、すべてうまく運んでいるのに失敗してしまうにちがいないといういう固定観念から抜け出すことが出来ません。うまく行っているという事実自体にさらに不安感を煽られる傾向にあり、論理的に思えることに困難を覚えます。

心配症の克服の仕方

不安なことを書き出してみる

不安なことを書き出してみる

頭の中に不安や心配ごとを抱えていると、どんどん膨らんでしまいます。不安や心配なことを一度書き出してみましょう。ただ漠然と不安な気持ちを抱えているだけでは、不安な気持ちを抑えることは出来ません。何が不安なのか書き出してみることにより、心配症を解消できる可能性が出てきます。

日常的な作業が気になる方は自分用のチェックシートを作り、気になる項目を一つ一つチェックしていくようにしましょう。たとえば外出時に鍵をかけたかどうか、ストーブやガスは消したかどうか、忘れ物をしていないかどうか、など何度も繰り返し確認してみたくなることがあれば、これをリストにし、一つ一つチェックし、確認済みと記入してみましょう。

子供になったような気分になりますが、実際にこのような根拠のない不安感を抱くことの無意味さに気が付かされるはずです。

心配症の度合いについて

心配症の度合いについて

心配症の度合いは人それぞれ異なっています。軽度の方であればとくに問題はありませんので、あまり心配しすぎるのも考えものですが、症状がひどい場合には早めに専門医の診断を仰ぐようにしましょう。

強迫行動や不安障害をそのまま放置しておくと、やがては社会的な機能不全に陥り、外出が出来なくなったり、日常生活を送ることも困難になる場合があります。ネガティブな思考から抜け出せずにいる方は一度専門家に相談するようにしましょう。

備えは出来ていると言い聞かせる

備えは出来ていると言い聞かせる

心配症の方は几帳面で細かいことに気が付く方が多く、ストレスが溜まりやすい性格を持っています。また完璧主義の方も心配症になりやすいといわれていますが、これらの方に共通するのは、細かいところまできちんとしていないと気が済まないところ。

先読みする能力に長けているからこそ、不安材料や心配のたねを見つけやすいともいえます。心配症の方は物事に対処できる能力に欠けているのではなく、不安な気持ちが大きくなりすぎ、他のことに手が回らなくなることが問題なのです。

根拠のない、漠然とした不安感に襲われたら、自分に出来ることはすべて行っているので心配する必要はないと言い聞かせてみましょう。まずは深呼吸し、不安な気持ちを心の中から追い出すようにしましょう。

心配症の方が持つポテンシャルとは?

心配症の方の持つポテンシャルとは?

成功した実業家の中には心配症の人が多くいるといわれています。ある統計では心配症の方のほうが仕事の業績が良いという結果があったり、言語能力に長けるという報告もなされています。

このように計画的、几帳面、完璧主義、先読みが出来る、人の気持ちに聡い、状況判断能力に優れている、などの能力があるがゆえに、さまざまな不確定要素を即座に思い浮かべてしまう人こそ、心配症になりやすいといえるでしょう。

強迫行動や不安症の症状がなく、ちょっと心配しすぎ、と周囲の人にいわれる程度であれば、あまり気にせずむしろ仕事で成功する可能性が大きい、と楽観視するのがいちばんです。

心配症をうまく活かす方法とは?

心配症をうまく活かす方法とは?

上述したように心配症の人の中には、高いポテンシャルを秘めている人が多くいます。心配性のもたらす負の部分をどうしたらポジティブな能力に開花させることが出来るか、これが心配症の方に課せられた課題といえるでしょう。

不安や心配な気持ちが心の中で大きくなりすぎないように、メンタルな部分を整え鍛えるようにする。それと同時に、自分の持つ能力やスキルはそのまま伸ばしていく、というのが心配症の方の取るべき道になります。

まとめ

心配症の方の典型的な特徴とそれに対する対処法、さらに心配症の方の持つポテンシャルについてまとめてみました。心配症が悪い方向に進むと不安障害や強迫観念・行動となって表れ、日常生活にも支障を来す場合があります。

しかし他方で心配症の方には先のことが読めるという貴重な能力があり、これをうまく機能させることが出来れば、仕事や学業の成功に役立つ大きな力になります。

このように心配症には正と負の両面があり、どちらに傾くかで人生が変わってくることがあります。悪いことだけではない心配症、心と頭を上手にコントロールし、メリットだけを手にするようにしましょう。