平凡な日常を楽しく生きるためのヒント-プロセス思考のススメ

平凡な日常を楽しく生きるためのヒント-プロセス思考のススメ やる気・向上

誰だって一度きりの人生を楽しく生きたい、その願いは人類共通と言っても過言ではありません。「楽しく生きたいと思いますか」と尋ねられれば、誰だってその答えは「YES」でしょう。

しかし、楽しいって何でしょうか。遊園地のような派手で刺激的な楽しさや、友だちとつるんで遊びまわるようなイメージでしょうか。それとも自分の趣味にどっぷり浸かることでしょうか。

楽しさは人によって異なります。また、いくら望んでも毎日パーティーを続けるわけにはいきませんし、いつか飽きてしまうでしょう。刺激的な楽しさは人生のスパイスであって、日常の中で感じる楽しさとは少し種類が違います。また刺激に慣れすぎると、その他の日常が退屈で色あせたものになってしまいます。

やりたいことだけやっていいのなら毎日は楽しいかもしれませんが、現実には仕事や勉強、家事など、やりたくないことのほうが山積みになっています。そんな日常を楽しく生きることはできるのでしょうか。

楽しく生きることを考えるために、今すぐやめるべき2つのこと

楽しく生きることを考えるために、今すぐやめるべき2つのこと

 

楽しいフリをやめてみる

そもそも、一番楽しく生きている人は、「楽しく生きるとは」などと考えることなく、人生を謳歌しています。反対に人生を楽しめていない人は、刹那の楽しさを楽しさのすべてと思い込み、体が疲れて心が追いついていないのに楽しいフリをすることに一生懸命になりがちです。

まず、楽しいフリをすることを手放してみましょう。どんな気持ちがするでしょうか。人目が気になるでしょうか。慣れなくても、ぽっかり時間が空いてもむやみに楽しいフリで埋めたりせず、自分は何を楽しいと思うかを考える時間にしてみませんか。

他人のモノサシで自分の楽しみを測るのをやめてみる

何を楽しいと思うかは人それぞれのはずですが、刹那の楽しみこそが楽しみであるという考えが根強くあるため、無理やり周りに合わせている人も多いでしょう。

人生を楽しく生きるためには、他人のモノサシより自分のモノサシが大事です。しかし、現状で自分のモノサシが確立していないために「楽しく生きるとはどういうことか」と悩んでしまうのです。

まずは、他人のモノサシで自分の楽しさを測るのをやめてみましょう。時間がかかるかもしれませんが、自分が心から楽しく生きるための大きな一歩です。

そもそも楽しいって何だ?

そもそも楽しいって何だ?

楽しさを刹那的な一瞬で終わるものと考えてしまうと、その他の時間は凡庸で楽しくないものとなってしまいます。しかし、その楽しい瞬間に至るまでには、途中経過があります。そのプロセスをどのように捉えるか、どのように過ごすかで、人生の楽しさは大きく変わってきます。

楽しいという感情にもいろんな種類がある

楽しいという感情をつぶさに見ていくと、楽しさにもいろんな種類があることがわかってきます。

・ゲームを攻略するような楽しさ

・気楽なおしゃべりの楽しさ

・人と出会うことの楽しさ

・謎が解けた時の楽しさ

・長年の問題が解決した時の楽しさ

・自分の言いたいことを言えた時の楽しさ

・植物や動物と触れ合う時の楽しさ

・体を思い切り動かしたときの楽しさ

・何かを発見した時の楽しさ

数え上げればきりがありませんね。これらは何も特別で手に入りにくい刺激的な楽しさというわけではなく、日常に転がっているタイプの楽しさです。しかし、私たちは普段はこの日常にある楽しさにあまり価値を置かず、たいしたことのないもののように扱っています。

花火のような瞬間の楽しさは非日常的で、日常をがんばった人たちへのご褒美のようなものです。それ以外の長い日常を楽しく生きるためには、楽しさの種類を増やし、楽しさの幅を広げていくことが大事なのです。

楽しさに到達するまでのプロセスに注目してみよう

楽しさに到達するまでのプロセスに注目してみよう

楽しさの頂点に至るまでの過程を見てみよう

小さな子どもがブロックでお城を作っているところを想像してみましょう。バラバラのブロックをかき集め、とにかくお城を作ることを決めるのですが、完成までには紆余曲折の道のりがあります。欲しい色のブロックが見つからずにイライラしたり、せっかく組み立てたのに想像と違ってがっかりしたり、せっかく積み直していい感じになってきたのにママが足を引っかけて崩れてしまったりといいことばかりではありません。

それでもブロックに向かっている時の子どもは、普段興味のないことをやっている時の飽きっぽい様子とは違って、別人のように集中しています。よかれと思って手を出すと、火がついたように怒ります。そして、やっと納得したお城が出来上がったときの自慢げな様子に、思わずこちらもウキウキするものです。

いわゆる楽しい気持ちに至るまでには、このように山あり谷ありで、決して楽しい感情ばかりを連続して感じられているわけではありません。そして、そのプロセスをすっとばして完成形のお城を与えても、達成感や人に自慢したくなるような楽しさは得られないのです。

目標達成の楽しさに至るまでのプロセスを1ユニットとして考える

子どもがブロックで何かを作っている時、大人はそれを瞬間の楽しさで切り取らず、紆余曲折があってもブロック遊びを楽しんでいると捉えます。

その過程の感情を取り出してみると、試行錯誤のイライラ、失敗のがっかり、壊された時の激怒など、およそ楽しさとは異なる感情もたくさん感じています。しかし、そのプロセスを乗り越えたからこそ、完成の達成感や喜びが大きくなり、そのプロセス自体を「楽しんだ」と思えるのです。

刹那の一瞬の楽しさとは別に、日常をより楽しく生きるためには、物事をプロセスでとらえる考え方がカギとなります。完成した瞬間を切り取るのではなく、目標達成までのプロセスを1ユニットとしてとらえれば、その過程の苦しみや混乱も楽しい記憶の一部となるのです。

物や作品を作る人には、完成までのプロセスそのものを楽しめる人が多いように感じます。しかし、ビジネスやスポーツ、受験勉強などでは完成や達成感のイメージを持ちにくく、長期戦であるためモチベーションの維持も難しく、途中で挫折してしまった経験を持つ人も多いでしょう。

そんな時は1ユニットを細かくして、小さな達成感による楽しさをこまめに感じることをおすすめします。現在から2年後のテニスの大会で入賞するまでを1ユニットとすると、息切れを起こしてしまう可能性があります。大きなユニットももちつつ、3か月後の地区予選までの短期的な1ユニットを導入するなど工夫するとよいでしょう。

プロセスを楽しむことができれば、失敗しても得られるものがたくさんある

成果だけを重視していると、その準備過程は苦痛なだけの時間になってしまいます。また、望む成果を得られなかった時、それは失敗でしかなくなります。

反対に、プロセス重視で取り組めば、その過程で困難を攻略していくことにも楽しみを覚えられますし、結果は出せなくても自分で工夫した攻略法などのスキルが得られます。

ですから、たとえ結果が出なくてもそれを失敗や挫折ととらえず、自分の成長であると捉えることができるのです。そして、その身につけた知識やスキルは財産として残ります。

また乗り越える楽しさを味わいたい、次はもっとこうしてみたいといった次のステップへの意欲もわいてくるのです。

整理-プロセス思考で楽しく生きるためのコツ

整理-プロセス思考で楽しく生きるためのコツ

少し整理してみましょう。人生をプロセス思考で楽しく生きるためのポイントは次の通りです。1 ゴールのイメージを描く

作品を作りたい、きれいな花を育てて楽しみたい、試験に合格したいなど、やりたいことはいろいろあるでしょう。それらを達成した時の成果、それを達成した自分の感情、周りの感情などを具体的に思い描いてみましょう。

①目標を持つ

ゴールが遠すぎると感じたら、スモールステップで進められるように、短期的な目標も作りましょう。目標はあくまで目標、無理だと感じたら柔軟に修正しましょう。

②小さなプロセスを積み重ねて目標を達成する

咲いた花を楽しむ期間はほんの数日かもしれませんが、育てるプロセスに注目すれば、楽しみはいくらでも増えます。

③軌道修正ができれば失敗は失敗にならない

毎日植物の成長を見るのが楽しみで、水やりをしすぎて枯れかけたとしても、それに気づくことができればそれは改善のための重要な情報となります。残念な気持ちをバネにして、水やりの方法を改善すれば、次はもっとすてきな花を咲かせる楽しみにつながると思えます。プロセス思考で取り組めば、一時的な失敗は失敗にカウントされません。

④遊び心を大事に、試行錯誤を楽しむ

刹那の楽しみと違って、途中経過には派手さや刺激はあまりありません。しかし、遊び心があれば、途中経過にもハリや刺激が生まれます。

なにより、「ああしたい、こうしたい」と考えたり手を動かす時間は楽しいもの、時間を忘れて取り組めている証拠なのです。

まとめ

人生を楽しむことなど考えたこともないと言い切ることができる強者は別として、多くの人はどうすれば楽しく生きることができるのか悩みつつ、楽しい自分を演出したりアピールして生きているものです。

刹那の楽しみのように刺激的で他人にも楽しさをアピールできるようなものばかりが「楽しさ」ではありません。楽しさの種類はたくさんあるのでその中で自分が望む楽しさを見つけてみましょう。そして、ゴールで感じる楽しさだけではなく、途中経過も含めてトータルで楽しめていると感じられるようになれば、人生を楽しむ幅が広がります。プロセス思考を導入して、人生の楽しみ方を広げましょう