仕事が忙しすぎる、失恋してしまった、最近面倒なことが多い、こんなことに思い当たる方はいませんか。いろいろやらないといけないことがあるのに、それを片付けずに先延ばしにしてしまう、これが現実逃避です。
また自分の置かれている状況をきちんと把握することなく、良いところにだけ目を向けたり、現実とは異なる自分の虚像をあたかも現実であるかのように思い込んだりすることも、現実逃避の一つになります。
非現実の世界に浸ってばかりいても、問題の解決にはなりません。しかし現実逃避にはプラスの側面もありますので、それらについて覚えておくと、ネガティブなだけでない現実逃避の手段を思いつくはずです!しばしの間現実から離れることにより、気持ちをリセットし、再び活力を取り戻すようにしましょう。現実逃避したいときに考えたいポイントについてまとめてみました。
現実逃避とは?
現実逃避とは、自分や自分を取り巻く環境を直視せずに、問題の先送りを行うことを指します。具体的には人から指摘された自分の短所について気が付かない振りをする、解決しなくてはならない問題を放置する、非現実の仮想世界に耽るなど。
現実逃避はその行い方次第で、プラスに働くこともあれば、マイナスにはたらくこともあります。どうせ現実逃避を行うのであれば、それが自分にとってプラスにはたらくようにしましょう。
現実逃避の種類は?
現実逃避には二種類あります。一つは、どんどん深みにはまっていき、物事の解決には至らない悪いタイプのもの、もう一つは現実逃避することにより、かえって仕事や家事の能率を高めることの出来るポジティブなもの。
大人の現実逃避はこの二番目のタイプのもの。仕事中に適当な息抜きが効果的なように、現実逃避も適当な方法を選び、時と場所をわきまえて行うと、誰からも非難されることのない、極上の楽しみに早変わりです。ポイントはのめりこまずに、適当な息抜きと考え、あとで自分に皺寄せの来るようなものを避けること。
反対に避けたいのはあとで自分自身が尻拭いをする羽目になるようなもの、必要ないにも関わらず高価なものを衝動買いしてしまったり、とっさの判断で退職したり、ネットにはまりすぎて人間関係にひびが入ったり、といったことがないよう気をつけましょう。
現実逃避したいと思うのはこんなとき
失恋や恋愛関係がうまくいってないとき、残業が多く仕事が負担に思えるとき、家族や友達とのいざこざがあるとき、体調が優れないとき、ストレスを感じるとき。普段は頑張りのきく人でも、何かの拍子に嫌気がさしてしまい、現実逃避したくなることもあります。
普段から現実逃避することの多い方にはあまりお勧めできませんが、ごくたまに現実逃避したいと感じるという方は、そんなときは無理せずリラックスし、後回ししても構わないものはいったんそのまま放置してみましょう。
疲れているから
現実逃避したいと感じてしまうのは、疲れやストレスが溜まっているせいかもしれません。自分では無理していないつもりでも、仕事のプレッシャーや人間関係のいざこざから、心身ともに磨耗しきってしまうこともあります。
現実逃避したいという欲求を感じたら、体と心が発しているシグナルと捉え、出来れば有給を取ったり、休みの日を完全に休息に当てるようにしましょう。
現実逃避を行うメリットとは?
現実逃避を行ったからといって、肝心の問題は解決されませんが、一時的に問題から離れ、気分をリフレッシュさせることにより、解決しなければならない問題や状況に対して新たな視線を持つことが出来ます。
何もかもが面倒に感じられるときには、何をしてもうまくいかないもの、そんなときはポジティブな現実逃避で仕切りなおしましょう。
現実逃避したくなる心理状態とは?
試験前や課題の締め切りが近くなると、現実逃避したくなるという現象があります。これは頑張っているにも関わらず、失敗してしまうかもしれないという恐れを抱くことに起因しています。
精神的な負担が過剰になりすぎると、心にかかる負荷を減らすために、いわば自衛作用がはたらき、当面の問題を棚上げしようとします。しかしこれは一時的な現象で、集中力を再び高めるために必要なプロセスといえるでしょう。
困難なタスク中に集中力や思考力を高めるには、すべてを放り出して現実逃避したくなる前に、定期的に休息タイムを入れるなどの工夫が必要です。軽く休憩を取ることにより、目の前のタスクから一時的に遠ざかり、疲れてきた精神状態を再び元のフレッシュな状態にリセットしてくれます。
手軽に出来る現実逃避とは?
仕事で疲れたとき、とにかく楽しいことだけを考えたいときに、手軽に出来る現実逃避の方法を考えておきましょう。難しく考える必要のないことを選び、その間頭の中を空っぽにして、自分の好きなコミックスや小説に浸るのも一つの方法です。
深く考えなくても済むことがポイントですので、難しいテーマのものではなく、自分が心から楽しめ没頭できるものを選びましょう。
週末小旅行に出かける
日常の生活を離れ、のびのびするには旅行がいちばんです。旅行中は日常的な瑣事をひととき忘れることが出来る上、旅行先で新しい風景や出来事に遭遇することで、自分自身を充電できます。
旅行のもう一つのメリットは予定を立て、それなりの予算を取り置かなければならないこと。悪い現実逃避のようにずるずると逃避したままというわけにいかないのも、旅行を現実逃避の手段に用いるメリット。一定の期間を定めてポジティブな現実逃避を行うのに最適な方法です。
買い物で気分転換
女性の方であれば、現実逃避の手段の一つとして買い物を選ぶ方もいるでしょう。もちろん買い物で気分が晴れるのであれば、しばしの間現実を忘れる一つの手段ではあります。しかし買い物依存症という言葉があるように、度を越えた支出は浪費癖につながりますので注意が必要です。
あとで後悔してしまうようなお金の使い方をしないよう、クレジットカードやカードローンを利用する際には計画的な支出を心がけるようにしましょう。
友達を誘ってみる
現実逃避したいときに一人でいるとさらに憂鬱な気分に陥ります。仲の良いお友達や気の合う同僚がいれば、一緒に買い物や食事会、旅行に出るようにしましょう。
一人で考えていても気分は晴れません。気心の知れたお友達と一緒に過ごすのも一つの方法です。
気持ちのスイッチを入れ替える
理想的な現実逃避とは、気持ちのスイッチを入れ替えられるもの。小説や映画に浸る、ちょっとした妄想にふける、プチ贅沢を味わう、普段はいかない高級店で食事をする、など、無害で深く傷付く恐れのないものにしましょう。
普段慌しい生活を送られている方には、のんぴり何もしない贅沢を味わうことをお勧めします。反対に変化に乏しい日常生活を送られている方は、まったく環境の違う場所を旅行先に選ぶなどすると、日常と非日常のメリハリを付けることが出来ます。
現実逃避の旅「海外編」
お金にも時間にも余裕がある場合は、海外旅行に出かけ思う存分異国情緒や異文化を味わい尽しましょう。旅行に出かける前に必ず目的を定め、何かしら目標を達成するようにすると、高揚した気分が長続きします。
目的は買い物でも観光でもご自分の心の赴くまま、ただしあまりにもありきたりな旅に終わると、現実逃避したという実感がわきにくくなるかもしれません。人とは違う、いつもは出来ないことも盛り込むようにしましょう。
現実逃避の旅「国内編」
現実逃避の旅は何も海外だけと決まっているわけではありません。国内にも海外気分を味わえる贅沢なリゾート地はたくさんあります。もちろん情緒溢れる純和風な土地もお勧めです。
たとえ週末しか時間の取れない方でも、国内旅行であれば大丈夫、超高級ホテルや老舗の旅館でのステイを楽しむことが出来ます。日常空間を離れ、現実を頭から追いやることで、気分を効率よくリフレッシュさせましょう。
たまには自分を甘やかす
周囲の人の我がままや自分勝手に嫌気がさしてしまい、現実逃避したいけれども、いろいろ考え合わせると行動に移せない、という人もいます。しかし常に周囲の人のことばかりを考えていると、疲れ果てるのは自分だけです。
たまには頑張っている自分へのご褒美と考え、思いっきり自分を甘やかすようにしましょう。したいことだけをする、やりたくないことはやらない日を作り、本当にしたいことだけを思う存分行うと気持ちの整理がつきます。
避けたほうがいい現実逃避とは?
一時的に非現実の世界に避難するのではなく、居心地のいい非現実の中に居座ろうとするのは賢いことではありません。「逃避」という言葉が示すとおり、現実逃避はあくまでも一時的に現実を忘れて心地よい思いをすることにあります。居心地の良い非現実の世界に長い間居座ってしまうと、現実と向き合う気力がどんどん薄れてしまいます。
現実逃避をする場合には、あくまでも活力を回復し、明日に備えるためと言い聞かせるようにしましょう。
人に迷惑のかかる現実逃避は禁物
疲れた、面倒になったからといって、会社を無断欠勤したり、家事を一切放棄するなどの現実逃避は絶対に禁物です。自分のことを優先しなければならないほど心が疲れている場合もあるかもしれませんが、その際もやはり最低限の社会ルールは守るようにしましょう。
家族や友人、職場の同僚などに迷惑をかけていると、やがては愛想を尽かされてしまうこともあるでしょう。社会人の現実逃避にはそれなりの限界があると知り、周囲の人に迷惑をかけない方法を工夫しましょう。
後悔することはやらない
自分の置かれている状況が辛くなり、発作的に仕事をやめたり、学校を退学したりすると、あとで必ず後悔します。そのときはよく考えたつもりでいたはずなのに、時間の経過とともに、このような浅はかな行為に対して必ずツケを払うときが来ます。
経済状況も先行き不透明のまま、収入格差は広がる一方の現代社会、自分の将来を決定しかねない重要な事柄に関しては、慎重に決断するようにしましょう。周囲の人に迷惑のかかるもの、自分の将来を危うくするもの、社会から完全に孤立するものなど、後々深刻な問題を抱えるようになるものは最初から控えるようにしてください。
マイナスにはたらく現実逃避とは?
プラスにはたらく現実逃避もあれば、当然マイナスにはたらく現実逃避もあります。現実逃避はあくまでも問題から一時的に遠ざかり、これにより気力ややる気を復活させることに意義があります。現実とまったく関わる気力がなくなるほど、徹底的に引きこもった現実逃避をしていると、社会に復帰することが難しくなってしまいます。
どうせ現実逃避を行うのなら、自分のためにプラスにはたらくものに留め、依存症になるような類のものは絶対に避けるようにしましょう。
後先を考えない現実逃避
そのときの気分で先走ってしまい、後で後悔するような現実逃避は避けましょう。どんなに大変なことがあっても、そこから逃げているだけでは結局は何も解決しません。現実逃避から復帰したときに、それまでの状況が現状維持されているならともかく、逃避する前よりも悪化してしまった、ということがないよう、行動に移す前に立ち止まってよく考えるようにしましょう。
家出や家事の放棄、無断欠勤などはこの範疇に入ります。捨て鉢な気持ちになったときには、自分の身勝手な行動により、周囲の人に迷惑をかけてしまうことを思い起こし、突発的な行為に走ることは控えましょう。
無駄にならない現実逃避を考える
現実逃避をしているとそのときは何も考えなくていいのですが、やがては現実に引き戻されてしまいます。現実に戻ってきたときに、なぜあのようなことをしてしまったのかと悔やむようむ現実逃避はやめ、何かしら得るところのある現実逃避の仕方を考えましょう。
たとえば現実逃避でネットがやめられないという方であれば、ただなんとなくブラウジングするのではなく、ネットで遊びながら同時に何かしら有用な情報を得たり、学んだりするというように、後で考えても現実逃避がまったく無駄ではなかった、という状況を作るようにしましょう。
まとめ
何もかもがうまくいかず、嫌気がさしてしまい、つい現実逃避をしてしまう。誰にでも経験のあることですが、度を越えた現実逃避は、状況をさらに悪化させてしまい、現実への対応能力を完全に失ってしまうこともあります。
マイナスにはたらく現実逃避とプラスにはたらく明るい現実逃避の違いを知り、上手に気持ちを切り替え、再びやる気を取り戻すために必要な現実逃避の方法を見つけるようにしましょう。