「あなたは面白い人ですね」、「お話がとても面白いですね」そんな風に言われるとうれしいですよね。

「面白い」という誉め言葉は、自分の内面的な部分を認められたように感じられるので、「かわいい」とか「かっこいい」といった外見を褒められるよりも「面白いと言われたい」と思う人も多いのではないでしょうか。

しかし、面白い人とはどうにでも解釈できる言葉です。具体的には「面白い」は多種多様にあって、いったい相手は自分の何に「面白い」と言ってくれたのか、自分はどんな「面白さ」を求めているのかは、もう少し掘り下げる必要がありそうです。

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それって本当に面白い?手を出すと痛い目に合う危険な面白さ

自分に合った面白さを見つける前に、痛さや危うさが漂う面白さについて触れておきます。これらは、ほんの一時だけ人の笑いを生み出すかもしれませんが、代償も大きいのです。

言ってみれば反則技を使ってウケているようなもの。その場の空気を盛り上げようとしてこれらの危うい面白ネタに手を出すと、その場でウケても、長期的にみると信頼を失う危険な行為です。

悪口、貶め~いじり系はいじめにエスカレートするリスク大

悪口や陰口、うわさ話が好きな人はたくさんいます。多くの人はつられて笑いますが、その中に傷ついたり、気分を害する人も必ずいます。その場を盛り上げたつもりでも、これらの反則技を使うことで、いずれあなた自身が信頼を失います。

自分や身内の失敗ネタを扱っても、本人たちがマイナスに捉えていたことをプラスのエネルギーに転換させられるのであれば、それはとても生産的な面白さだと言えます。それができると自信のあるもの以外は手を出さないこと、これは面白い人である以前に、人としてのマナーであり鉄則です。

トリックスター的面白さは才能が必要

トリックスター的面白さは才能が必要

プロのお笑い芸人さんたちの中には、話術が面白い人の他に、トリックスターのような面白さを持つ人がいます。トリックスターとは、神話や伝承、物語の中で、神や自然の秩序を破るいたずら者として活躍し、話を展開させていく者のことを指します。

善と悪、賢者と愚者、生産と破壊といった二面性を持っており、時にはばかげた過ちを犯したりもしますが、一方で人間にとって豊かな学びや必要な知恵や道具をもたらすこともあります。

素人が付け焼刃でトリックスターの面白さを真似ると、大怪我をすることがあります。

プロの芸人さんの中でもトリックスター的な人物は、善悪、賢愚などの絶妙なバランス感覚に長け、日々、それをプラスの笑いに転換する技術を磨いています。そういう才能や技術なしに素人が真似すると、痛々しさや、時には周囲に不快感や嫌悪感をもたらすことになってしまいます。

コミュ力偏重型の笑い

コミュ力偏重型の笑い

若者から広まった「コミュ力」には、傾聴の考え方と方法、適切な自己主張の方法、議論を積み上げるための方法とスキルといった一般的に必要とされるコミュニケーション力とは違ったニュアンスがあります。「コミュ力」が重宝される社会の中での面白さとは、「場の空気を読んで、その空気に合わせて人を笑わせること」であると言えるでしょう。

しらけたムードや「何か面白いこと言えよ」という場の空気を読んで(深読みして)とる笑いは、その場のムードを一瞬変えるかもしれませんが、そのあとには痛々しさと虚しさが残ることでしょう。

また、場の空気に呑まれ、焦って禁じ手のいじりネタに手を出して失敗するケースも多いにあり得ます。もし、笑っている人々の中に硬い表情を見つけたら、気づかぬうちに誰かを傷つける危険な笑いになっているかもしれません。

コミュ力の同調圧力に乗る必要はありませんし、その場の空気を自分一人で何とかしようと背負い込んでしまうことのほうが危険です。

承認欲求偏重型の笑い

承認欲求偏重型の笑い

友人の中で「面白いことの一つも言えないと飽きられる」、「面白い話題を提供できなければ仲間として認めてもらえない」、そんな不安や恐れに駆られて、無理をしていませんか。

家族や仲間に認められたい欲求は誰にでもある自然なもので、心理学者のマズローはこれを承認欲求と名付けています。承認欲求は通常、①生理的欲求→②安全欲求→③愛と所属の欲求→④承認欲求→⑤自己実現欲求の順に現れ、低次の欲求が満たされると次の欲求が表れてくると言われています。

ところが、仲間の笑いを取りたいがために自分の自尊心や安全を脅かすような危険な行為をしてみたり、誰かをいじってしまう人は、承認欲求をこじらせて、自分や周りのことが見えなくなってしまっている恐れがあります。

このタイプの恐ろしい点は、空虚な自分を感じてそれを他者からの承認で埋めるために、どんどん行動がエスカレートしてしまう点です。度を越したいたずら動画をアップして炎上したケースなどにもこの兆候が見られます。

または自分に見合わない面白さを無理に演じ続けることで、人間関係のストレスをため込んでしまう恐れもあります。

このタイプは承認欲求をこじらせて取り返しがつかなくなる前に、自分自身を満たすことに気持ちを切り替えることが大事です。

あなたはどこを目指す?面白さのタイプ別分類

人それぞれに味わいや面白みを持っているものです。自分とかけ離れたものを目指して行き詰まるよりも、まずは自分が持っているものに目を向けてみましょう。

タイプ別分類

タイプ別分類

人間の持つ面白みは多種多様です。一般的には社交的な人が面白い人、内向的な人は面白くなくコミュニケーションも下手であるというイメージが先行しがちですが、それは大きな誤解です。内向的な人とは本来自分の関心を探求するタイプのことを指し、創造的な分野において力を発揮できる、面白い世界観を持った人なのです。

面白い人が集まる芸能界やクリエイティブな業界では、外交的な人はもちろん、内向的な人が大活躍しています。特別な場所ではなくても、社会の縮図であるクラスや職場にも、いろんな潜在的面白さを持った人はたくさんいます。

性格の外向性-内向性に、自然な面白さ―緻密に計算された面白さというもう一本の軸をかけ合わせて、4種類の面白さのタイプを見てみましょう。

外交的×ナチュラル

外交的×ナチュラル

自然な話術で人を和ませることができる人です。自己開示力も高く、飲み会などで自分や身内のことをさらりと面白く語ることができます。

言葉を使ったコミュニケーションだけではなく、表情や身振り手振りなどの非言語のコミュニケーションをうまく使いこなせます。

外交的×緻密さ

外交的×緻密さ

人を喜ばせることが好きで、流行りものや人が好む話題に常にアンテナを張り、それを言語・非言語両方のコミュニケーションを交えて情熱的に語るので、周りを引き込みます。探求心があり、人を飽きさせません。

内向的×ナチュラル

内向的×ナチュラル

サークルなど、趣味や専門性の緩やかなつながりの中に居心地の良さを感じるタイプです。人とのコミュニケーションは得意なほうではありませんが、仲間内で大好きな趣味を語るときはリラックスして饒舌に語ることができます。

趣味に関わるもの―楽器やペット、作品などがあるとホッとするので、そういうものの力を借りるのも一つの方法です。

内向的×緻密さ

内向的×緻密さ

専門家やオタクレベルで自分の好きなことを追求し、体系的な知識も持ち合わせているので、その世界観には誰もが一目置いていることでしょう。

自分が感じる面白さを伝えたい情熱でついつい一方的に語ってしまいがちですが、その熱に面白さを見出してくれる人もたくさんいるはずです。相手に合わせた話し方をすれば、もっとたくさんの人に好きな分野を面白く語れる人になります。

面白さの磨き方 なり方

まずは自分の持つ面白さを発見し、自信を持とう

まずは自分の持つ面白さを発見し、自信を持とう

このようなタイプ別分類を持ち出したのは、どの人にも自分にも強みがあると自信を持っていただきたいからです。もっと細かく軸を追加していけば、面白さは幾通りもありますし、自分が当てはまるものや目指すもの以外のタイプの面白さにもリスペクトの感情を抱いている人は多いでしょう。

もし、自分に当てはまるタイプがない、見つけられないという人は、もしかすると承認欲求型の悪循環にはまってしまっているかもしれません。このタイプの人は「いつも笑顔でないと愛されない」、「いい子じゃないと認めてもらえない」といった思い癖を強く持ち、他者の望む人生を必死で生きようとするあまり、自分自身が面白いと思うことや望むことを見失っている可能性があります。

思い当たる場合は、当面、面白さを無理に演じて他人を満たすことなんて放棄して、自分自身を満たすこと、他者の面白さを味わうことに専念しましょう。

自分のタイプや強みを知ったうえで、他のタイプからも学ぼう

自分のタイプや強みを知ったうえで、他のタイプからも学ぼう

「面白いと思われるにはどうしたらいいの」と悩む人の中には、ないものねだりで自分とは真逆のタイプへの強い憧れを持ち、それに安易に手を出して自信を無くす人もいらっしゃいます。

学校の勉強と同じで、いきなり難問の文章題を解こうとしても、失敗して自信ややる気を失ってしまいかねません。単純で簡単な基礎問題で練習を積み、自信をつけてから文章題や発展問題に進むのが無理のないやり方です。

人間関係も同じことです。いきなりハードルの高いことに挑戦すると心が折れてしまうので、自分のできる範囲から始めましょう。

緊張を味方につける

緊張を味方につける

対人関係の緊張は、できれば経験したくない嫌なことと一般的に思われています。またストレスになるほどの緊張は、確かに心身の不調につながります。

しかし、適度な緊張やプレッシャーは何事にも必要なことです。例えばスポーツの本番、仕事のプレゼン、音楽の演奏などは緊張感ゼロの時よりも、緊張とリラックスのバランスがとれた状態で最高のパフォーマンスを発揮しやすいと言います。

コミュ力ではないコミュニケーション力や話術のトレーニング、ビジネスマンやアスリートのためのメンタルトレーニングは、今の強みをさらに輝かせるためにも、どのタイプの人にも有効です。その中には、自分の感じている緊張感に蓋をしたり振り回されるのではなく、うまくエネルギーに変えていく練習もあります。

詳細は別の機会に譲りますが、自分が緊張していることを受け入れること、緊張した時にはどんな状態になるか、自分で観察することから始めましょう。また、緊張でも不快で逃げ出したくなるような緊張と、ピリッと張り詰めるようなさわやかな緊張とどちらも感じ、どうすれば大事な時に後者の緊張感を持っていられるか、自分なりに見つけていくことが大事です。

まとめ

自分の強み、目指す面白さが絞り込まれてきたでしょうか。他者を満たすために自分をねじ曲げたり無理をしてまで絞り出す笑いや、誰かを踏み台にして傷つける笑いは、自分も人も幸せにしません。

面白い人であることは、誰かを喜ばせることではありますが、何より自分が楽しさや心地よさを感じ、満たされることが望ましいのです。あなたの強みを活かして、自分や周りを幸せな面白さで満たしてください。

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